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2026/09/12お知らせ

検索1位でもAIには引用されない!データで見るAI検索の現在地

こんにちは、花岡です。

前回、AIO・LLMO・GEO・AEOという用語を整理しました。結論は「呼び名は違っても、土台にあるのはSEOだ」というものでした。

ただ、この「SEOが土台」という話は、しばしば誤解されます。「つまり検索で1位を取ればいいんですね」と受け取られるのですが、そうではありません。

今回は、AI検索まわりでよく耳にする3つの誤解を取り上げます。数字を見ていくと、いま何が起きているのかがはっきりします。

Q. Google検索で1位を取れば、AIにも引用されますか?
A. いいえ。AI Overviewsが引用したページのうち、同じキーワードで検索上位10位に入っていたものは38%です。2025年7月時点では76%だったので、1年足らずで大きく下がりました。順位とAI引用は、すでに別のものと考える必要があります。

この記事のポイント

  • AI Overviews専用の入り口は存在しません。llms.txtも構造化データも、AI向けの裏口にはなりません
  • AI Overviewsの引用のうち、検索上位10位から来ているものは38%です(2025年7月は76%)
  • AIは質問をそのまま検索していません。複数の論点に分解してから検索しています
  • ChatGPTの検索元はひとつではなく、OpenAI自前のインデックス・外部の取得業者・Googleなどが併用されています
  • どの経路にも拾われないページはAIから見えません。クロールされる状態を保つことの重要性は上がっています

この記事の結論

AIに引用されるための専用の近道はありません。一方で、AIが情報を取りに行く経路は増え続けており、どの経路からも読めないページは選択肢に入りません。その意味でSEOの土台はむしろ重くなっています。ただし「検索1位=AIに引用される」ではありません。これからは、客観的な数値で比較されることを前提に情報を整えるほうが効きます。

誤解① AI Overviews専用の対策がある

「AI向けの特別な設定があるのでは」という質問をよく受けます。結論から言うと、ありません。

Googleは公式に、AI OverviewsとAI Modeについて特別な技術要件はないと明言しています。条件はひとつだけで、Google検索にインデックスされ、スニペット表示の対象になっていることです。

llms.txtは読まれていません

AI向けにサイトの案内を書くとされる「llms.txt」というファイルがあります。これについてGoogleは、使用していないと公式に述べています。

実測でも裏付けが出ています。Ahrefsが13万7,210ドメインを調べたところ、llms.txtを公開していたのは28%でした。そして公開されているファイルの97%は、1か月間で一度もリクエストされていませんでした。届いたリクエストの96%はボットによるもので、そのうちAI検索の取得ボットは1.1%にとどまります。

置いても読まれていない、というのが現状です。

構造化マークアップも裏口ではありません

構造化データについても扱いは同じです。ChatGPTはHTMLをテキストに変換する段階でJSON-LDを取り除いていることが、通信の解析から分かっています(Search Engine Land)。

サイト構造の整理としてやる価値はありますが、AI向けの近道として期待するものではありません。

誤解② 検索1位を取ればAIに引用される

ここが今回いちばん伝えたい部分です。数字が大きく動いています。

Ahrefsが86万3,000キーワード・400万件のAI OverviewsのURLを調べた調査によると、AI Overviewsが引用したページのうち、同じキーワードでGoogle検索の上位10位に入っていたものは38%でした。2025年7月時点の同種の調査では76%だったので、半分程度まで下がっています(Search Engine Journal)。

AIに引用されたページの検索順位の内訳。上位10位以内が38%、11〜100位が31.2%、100位圏外が31.0%

引用元ページの検索順位 比率
上位10位以内 38%
11〜100位 31.2%
100位圏外 31.0%

引用の6割以上が、上位10位の外から来ています。かつては上位10位を要約していたのが実態でした。だから順位を上げればAI Overviewsにも出たわけです。今は事情が違います。

別の調査でも同じ方向が出ています。BrightEdgeの分析では上位10位との重複は約17%で、こちらは2025年10月時点の54%からの低下です。調査手法もデータセットも異なるため数値には幅がありますが、下がっているという傾向は共通しています。

ただし、数字の読み方には注意が必要です

この下落幅をそのまま「Googleが変わった」と読むのは正確ではありません。Ahrefs自身が挙げている要因は3つあります。

  • 後述するクエリファンアウトの拡大
  • AI OverviewsがGemini 3に切り替わったこと(2026年1月)
  • 引用の検出精度が改善したこと

3つ目は「測り方が変わった」分にあたります。前回と今回の調査は、そのままでは比較できないとAhrefs自身が断っています。それでも、順位と引用がずれてきたという事実は動きません。

誤解③ AIは質問をそのまま検索している

順位と引用がずれた理由のひとつが、この点です。

AIは、ユーザーが入力した質問をそのまま1回だけ検索しているわけではありません。質問を複数の論点に分解し、ユーザーには見えない検索を走らせています。Googleはこれを「クエリファンアウト」と呼び、2025年3月のAI Mode発表時に公表しています。

たとえば「勤怠管理ツールを選びたい。おすすめは?」という質問であれば、内部では次のような論点に分かれます。

AIが質問を分解して検索する仕組み。勤怠管理ツールのおすすめは?という質問が、料金・セキュリティ・システム連携・サポート・導入実績に分かれて検索される流れ

  • 料金・プラン
  • セキュリティ
  • 連携できるシステム
  • サポート体制
  • 導入実績

Google AI Modeの実測では、1つの質問から走る検索は5〜11本が59%、12〜19本が24%で、最大でも28本という結果が出ています。数百本まで増えるのは、Deep Researchのような詳細な調査モードに限られます。

AIは元のキーワードを検索していません。分解された別の質問で検索しています。だから、元のキーワードでの順位と、実際に引用されるページが一致しなくなりました。

では、AIはどこを見ているのか

「SEOが不要になる」という話にはなりません。むしろ逆です。

2026年に入ってから、ChatGPTが何を見て答えているかが具体的に分かってきました。ChatGPTのサーバーが送信するデータのなかに、結果の取得元を示すフィールドが一時的に含まれており、そこから内部構造が観測されています(Peec AI)。

検索元は複数ある

OpenAIは「Labrador」と呼ばれる自前の検索インデックスを運用しています。単一のインデックスではなく、web・PDF・YouTube・ニュース・arXiv・Wikipedia・ローカル・金融・法務・医療・ショッピング・画像といった分野別の集合体です。Googleが20年かけて作ってきた構造と同じ形です。

これに加えて、Bright DataやOxylabsといった外部の取得業者を経由した結果も併用されています。通信の解析では、商用・ショッピング・金融系のクエリでは外部業者経由が多く、ニュースや参考情報ではLabradorが使われる傾向が観測されています(Suganthan Mohanadasan)。

つまり、検索元はひとつではありません。Google・Bing・OpenAI自前のクローラー、そのどれにも拾われないページは、ChatGPTからも見えません。

検索エンジンにクロールされ、テキストとして読める状態にしておくこと。この前提条件は、検索元が増えるほど重くなります。

それでも1位が答えではない

一方で、順位が高ければ引用されるわけでもありません。2025年7月時点のAhrefs調査では、AIが引用したURLのうち、元の質問文でGoogle上位10位に入っていたものは11.9%でした(ChatGPT・Gemini・Copilotの平均。ChatGPT単体では8.0%)。

1位を取ることと、AIに引用されることはイコールではありません。

これから起きる2つの変化

AIの情報収集能力は今後も上がり続けます。そうなると、2つの変化が加速すると考えています。

1つ目:推薦の個別化

ChatGPTには過去の会話を参照する機能があります。先ほどの「勤怠管理ツールのおすすめは?」で考えると分かりやすいです。

「30名の建設業で、現場での打刻が必要」と一度話した後であれば、同じ「おすすめは?」でも返ってくる候補が変わります。前提が足りなければ、AIの側から「従業員は何名ですか」と聞き返してくることもあります。

個別の事情に踏み込んだ推薦が増えるほど、大量の指名が集まる有名商品以外にも出番が回ってきます。中小企業にとっては、むしろ好都合な変化です。

2つ目:定量部分の機械的な比較

AIが推薦するとき、内部では比較が行われています。勤怠管理ツールであれば「1人あたりの単価が高い」「対応する打刻方法が少ない」といった判断が、料金表と機能表から機械的に行われます。

人間が相手なら、見せ方の工夫である程度は取り繕えます。AIにはそれが通用しません。客観的な数値で優劣がつきます。

料金・スペック・対応範囲を、読み取れる形で正直に出しておく。遠回りに見えて、これがいちばん効きます。

花のやでできること

花のやでは、SEOを土台としたLLMO対策の設計と実装を支援しています。クローラーから見える状態になっているかという技術的な確認から、比較される前提での情報設計まで、一貫して対応します。

「AI検索対策として何をすべきか判断がつかない」
「自社のサイトがAIからどう見えているか知りたい」
まずは現状の確認から一緒に考えます。お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人:花岡正和

株式会社花のや 代表取締役。名古屋市中区栄。2014年の創業以来、700社以上のホームページ・採用サイト制作に携わる。「成果(採用・集客・売上)から逆算する」ゴールファースト設計を提唱し、Web制作・採用マーケティング・AI活用支援に取り組む。

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